不動産投資(不動産賃貸業)は現金で購入するケースもありますが、多くの場合、融資を受けてローンを組むことが一般的です。ここでは、そのローンについてご説明します。
そもそも住宅ローンと不動産投資用のローンって、どう違うのか、住宅ローンと不動産投資用ローンとの違いについて説明します。まず明確な前提として、目的が異なります。
住宅ローンはその名の通り、居住用ローンになるため、自分で住む家を購入するときに使えるローンです。
一方で、不動産投資用ローンは収益不動産を購入するときに使えるローンですね。
主に、金利・融資期間・融資金額に違いがありますので、具体的に以下お伝えします。
①金利
住宅ローンの方が圧倒的に低金利です。現在、国策の影響もあり、史上最低金利が続いています。
2021年9月時点で、ネット銀行では変動0.31%という金利も目にしますので、殆ど金利は掛からないと考えて良いレベルです。これに加えて、住宅ローン減税(細かな説明は省きますが、ざっくり言うと、一定年数の間、住宅ローン残高の1%が毎年還付される減税制度のことです)もあり、金利負担どころか、プラスになるレベルです。
一方で、不動産投資用ローンは金融機関にもよりけりですが、住宅ローンよりも高くなります。
②融資期間
融資期間も住宅ローンの方が優遇傾向です。
フラット35であれば、その名の通り35年のローンを組むことができ、続きの返済負担を軽くすることが可能になってます。一方で、不動産投資ローンは、新築物件などであれば最大35年融資もありますが、築年数が経過している物件の場合、 原則として法定耐用年数から経過年数を引いた期間になるケースが多いです。
③融資金額
どちらも、年収をベースにいくら程度までを目安に借り入れできるか決まってきます。
住宅ローンであれば、年収の7−8倍程度。不動産投資用ローンであれば、年収の10倍程度などと言われてます。(金融機関によりけりなので、絶対指標ではありません)
プロパー融資について
ここまで聞かれて、「じゃあ、自分の年収10倍以上に買って行くのは難しいのか・・・。」と思われた方もいると思います。実は、「プロパー融資」と呼ばれる融資があります。
上記で記載した、不動産投資用ローンは、一般的にはアパートローンと呼ばれており、住宅ローンと同じく、個人年収をベースに借入額を判断するパッケージ商品です。
一方、プロパー融資は全てが案件単位で判断される融資です。
良くも悪くも実績次第ではありますが(物件が良いことは大前提です)、実績が積み上がっていけば、個人年収に関係なく借入は可能となります。
原則、プロパー融資は法人融資として行われますので、規模拡大を志向する方は、極力早いタイミングで法人設立をして、不動産賃貸業としての実績を積んでいくことをお勧めします。