私はもともと、新築分譲マンションの不動産広告の営業マンでした。
新築マンションの立ち上げ時には、販売価格・販売方針・広告方針を提案することもありましたし、販売後期には1住戸1住戸をどのように販売すべきかを考え、広告プランとともに不動産会社へ提案していました。
その経験があったうえで、自身が所有している区分マンションの売却依頼を依頼したところ・・・
率直なところ物足りなさを感じました。ヒアリングは十分になく、提案もこれといったものはありません。
ただ、当該マンションの売却事例価格を提示され、販売スタートという流れです。
(実はものすごく考えたり動いていただいていた可能性もありますが、少なくともこちらには見えない状態でした)
そのため、弊社ではそれらの経験をもとに、売主により良い売却活動ができるよう、提案を行っております。
成果も出ているため、本日はその内容についてお伝えしたいと思います。
なお、物件によって対応はケースバイケースではあるため、あくまで一例として御覧ください。
目標設計
まず、大事なのは、いつまでに売りたいかです。それにより、販売価格も変わってきます。
例えば、住み替えに伴う売却の場合、期限は定まってくるため、スケジュールのすり合わせはとても重要です。
また、売却までに掛かる管理費・修繕費、固定資産税を踏まえて、どの程度時間を掛けて売るべきか、早期で売却すべきか、判断が必要になってきます。売主さんにとってトータル収支が最大化されるよう、提案しています。
マーケットの整理
マーケティングの基本ですが、考えられていない仲介担当者も少なくありません。
(感覚的には分かっているものの、整理されておらず、施策実行までが一貫していないという方が正しいかもしれません。)
中古マンション売却は1戸を売り切る戦略なので、詳細な分析までは不要なケースもありますが、どういうポジショニングにあるかは認識しておくべきです。
過去事例、販売中事例の両方を抑えて、価格設定をしていきます。
[検討すべき事項]
①過去事例
・中古マンション(同一エリア、沿線)
②販売中事例
・中古マンション(同一エリア、沿線)
・新築マンション(同一エリア、沿線)
物件特徴の整理
いわゆる3P分析です。立地・商品・価格の観点で整理していきます。
立地、商品については、売主さんが実体験としてリアリティのある情報をお持ちです。そのため、本物件で居住することによるメリットを打ち合わせ時にお伺いするようにしています。
・強み
立地、商品(専有部・共用部)、価格
・弱み
立地、商品(専有部・共用部)、価格
想定課題の整理
上記を踏まえ、どのような課題が発生するか整理します。
①価格設定
②商品(設備故障、傷・汚れ)
③広告(掲載媒体、広告量、広告内容)
④現場(室内状況、内見対応)
対策立案、実行
想定課題に対して、どのように対策を打つかを検討します。ここで大事なのは、どの課題を解決するための打ち手かを意識し、一貫した意思決定をすることです。漫然とした対策にならないようにしています。
・広告(写真撮影、媒体掲載、物件資料)
・現地(クリーニング、ステージング)
・接客(魅力トーク、リカバリートーク)
・客付け不動産仲介会社への販売協力依頼
・振り返り時期とポイント(いつ、どのような状態のときに、次の手に入るか)
如何だったでしょうか。
物件によりケースバイケースですが、売却希望物件をお持ちの方、売却についてお悩みのある方はお気軽にご相談ください。